ブラックジャックについてもう少し

ブラックジャックなんだけど、なぜディーラー有利なのかについて端的にまとめられた説明が無いように思う。


プレーヤには配られた時点で2枚のカードがすでに見えている。ルール次第では他のプレーヤのカードも見える。
一方ディーラーはカードを2枚引いても1枚しか見ることができない。しかも、ディーラーは16以下であった場合、17以上になるまで強制的にカードを引かなくてはいけない。つまりディーラーには選択権が無いのである。


これが、見かけ上プレーヤとディーラーで大きくハンデが無く、ともするとプレーヤ有利に見える理由である。なぜなら、プレーヤには、カードを引くか(hit)、勝負するか(Stand)という選択肢が与えられているからだ。ディーラーのカードの強弱によって、戦略を変えられることも有利に見える理由かもしれない。


しかし、実際はディーラーが有利なルールとなっている。少し考えてみるとわかることだが、ブラックジャックは基本的に、ディーラーが後だしジャンケンをしているようなギャンブルなのだ。プレーヤーがバストしてしまうと、ディーラーは必ず勝ってしまう。*1個人的にすごいなぁと思うのは、ブラックジャックがディーラー有利であることが証明されたのは、ブラックジャックというゲームが始まってからであるということだ。ルールを考案した時点で、ブラックジャックはディーラー有利であると確信できた人はものすごく博才があると思う。


考えてみると、胴元(ハウス)が存在するギャンブルは、プレーヤに選択権を与えていることが多く、ディーラーに選択権は無いことが多い。パチンコの台を選ぶのは自由だし、大当たりした場合、必ず玉を出さなくてはならない。ギャンブルを選好するような人は、自分が選択できることで、胴元有利な状況をひっくり返せると心のどこかで思い込んでいるのかもしれない。あるいは、選択権がある場合、心の中での期待値がプラスなのかもしれない。もちろん、パチンコで勝ち続けたり、カウンティングをしてブラックジャックで勝ち続けることは、胴元がイカサマをしていない限り可能ではあるが、そもそもそういうギャンブルのプロは一般的ではない。*2


ちなみに、最近投資商品として魅力的だと喧伝されるFXもギャンブルの一種だと思っている。胴元が有利だからだ。ポーカーや麻雀などのプレーヤ同士でギャンブルを行い、胴元はテラ銭という場代を取るギャンブルの形式にFXは似ているので、胴元の有利さが見えにくいのかもしれない。FXはギャンブルではなくて投資だと思っている人はいますぐ辞めたほうがいいと思う。僕的には。

*1:2枚のカードで21を越えることは無いため

*2:全員が勝つための行動を取り続けると、胴元は倒産するかイカサマをするしかないため